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そして4代目

MPVは家族のクルマとして大活躍でした。キャンプ道具を積み込んでも4人でゆったり乗れたし、車中泊も難なくこなせました。大物を買っても配達してもらうことなく自分で持ち帰れました。出張に行く時も四人分の大型スーツケースを積み込んで空港まで行けました。息子の友達も一緒に乗せて移動することも何度もありましたし、親子三世代での移動も余裕です。とにかくその大空間を余すことなく活用させてもらえました。

しかしさすがに10年選手となり、ドアの開きの悪さがひどくなってきました。少々サビも出てきました。車検が迫っていましたが、タイヤを交換してまで車検を通してあと2年乗り続けるかどうか迷うところです。エンジンはさすがアメ車のエンジン、国産エンジンより何事にもおおらかで、多少エンジンオイルの交換をサボっても、オイルがゲージのローレベル以下に減っていても機嫌を損ねることなく走ってくれました。ただ、燃費もおおらかでしたけどね。走る、曲がる、止まるという機能面ではさしたる問題はなかったのですが、そろそろ違ったクルマに乗りたくなったということもあり、また、今回を逃すと2年後は子供達にかかるお金も今以上になり、とてもクルマどころではなくなるという財布の事情もあり、この機会に乗り換えることにしました。というのが2010年の年末の事です。

さて、次のクルマはどうしようか。同じようにまたミニバンにするか、それとも違うジャンルのクルマにするか。

実はまだクルマの買い換えを考えていなかった頃から何台か乗ってみたいクルマはありました。例えばアバルト・グランデプント エッセエッセ。わずか1.4リットルで180psを発生するエンジン。サソリマークはアウトビアンキA112アバルトの頃からちょっと憧れてましたし。同じアバルトでも500はちょっと小さすぎて今ひとつです。それからルノールーテシアRS。これも2リッターの自然吸気で202psと、結構な実力です。こういったヨーロッパのホットハッチはミニバンに乗っていた僕にしてみればCR-Xに乗っていた頃を思い出せそうで、乗ってみたいクルマの代表です。とは言え、どちらもいわゆるBセグメントに分類されるサイズのクルマ達です。3ドアだし、トランクも狭いし、純粋に4人乗りです。CR-Xロードスターに乗っていたこともあるから、個人的にはこのサイズでも全く問題ありません。でも子供達も大きくなりましたし、親も年を取りました。やはり最低5人は乗れないと困ります。荷物もある程度積めないと困ります。そんな訳で、残念ながらこの2台を選ぶことはありません。今の時点では将来の愛車候補としておきます。

さて、現実的な候補として考えたのは、まずは引き続きミニバンに乗る前提でまたMPVです。MPVにはミニバンでは珍しくターボ車があります。進化したカラクリシートや電動スライドドア、簡単に畳め、しかもまともに使える3列目シートなど、MPVからの乗り換えでもまた選ぶに値する進化具合です。なのでミニバンにするならMPVです。もう1台、気になるクルマがありました。それはルノーカングーです。カングーはモデルチェンジ前の頃から気になっていましたが、モデルチェンジした現行型も魅力的です。5人ゆったり乗れて荷物もたっぷり積めます。しかもマニュアル車まで用意されていてます。価格的にもかなりお手頃です。ヨーロッパ車が気になっていましたし、最有力候補の1台です。

ただ、それぞれにいくつか引っかかる点がありました。まず一つ目は、次はマニュアルに乗りたいと思っていました。当然MPVにマニュアル車の設定はありません。今時の国産車、しかもミニバンでマニュアル車など望むべくもないのです。それとMPVのターボモデル、23Tがラインナップから外れてしまったというのも残念なことでした。普通に乗るのであれば自然吸気エンジンでも僕のMPVに搭載されているV6エンジンよりはるかに性能が良いので問題ないんですけどね。それとスライドドアの開閉で苦労したこともあり、次にスライドドアのクルマに乗るのであれば、電動スライドドアを選びたかったのですが、カングーには設定がありません。また、パワーの割にはよく走ると評判のエンジンですが、さすがに1.6リッターで104ps、それで1.4トンからの車体を動かすことを考えると、ちょっと考えてしまいます。

どちらも良いクルマだと分かっていますが、どちらももう一つ決め手に欠けました。そんな中、実はもう1台、とても気になるクルマがありました。今時の国産車でFF、2.3リッターインタークーラーターボの264ps、マニュアルトランスミッション。それがマツダスピードアクセラです。初代の頃から気になっていました。アクセラ自体、日本を除く世界中で非常に高い評価を受けていますし(逆に日本ではマツダ車全般が不当とも思える位評価が低いです)、ヨーロッパ製のCセグメントホットハッチ達と互角に渡り合える性能はとても魅力的です。ミニバンではないので積載量の絶対値は太刀打ち出来ませんが、普通に生活する限りにおいては十分なトランクスペース、5ドアなのでファミリーカーとしても問題ありません。それでいて世界最速のFFを目指したともいえる性能、感動すら覚えます。ハイブリッド車を始めとしたエコカーとミニバンが大人気の日本にまだこのような尖ったクルマが存在すること、もちろん国産車でもGT-RZ、あるいはランエボWRX STIといったもっと尖ったクルマ達は存在しますが、それらと比べても入手しやすい価格で手に入れることができます。

他に欲しいクルマが思い浮かびません。いや、ロードスターは相変わらず欲しいクルマですが、今の家族の状況ではまず無理ですからね。金額的な制限もあります。そこで、3列シートやスライドドアは諦めて、やはり久しぶりに走りも楽しめるクルマ、マツダスピードアクセラにすることにしました。

アクセラ自体はまあそこそこ売れているようですが、マツダスピードアクセラとなると、増刊CARトップの「最新[2011年]国産 & 輸入車の本」によれば、ロードスターが平均月販台数98台、RX-8が同じく平均月販台数84台のところ、ちゃんと5人乗れる普通の5ドアであるマツダスピードアクセラは平均月販台数61台。・・・少ないです。少なすぎます。輸入車のホンダシビックタイプRユーロですら平均月販台数80台売れているのに、エンジン以外は普通に使える5ドアが2シータ−オープンや観音開きの5ドア、輸入車の3ドアより売れていないなんてどういうことですかね?そんな状況なので、納期が気になるところです。年が明けてすぐの商談で契約しましたが、契約日からMPVの車検が切れるまでにあまり期間がなかったので、納期が間に合わなければ代車を貸してもらえることになりました。車検切れはまあそんな訳で心配なかったのですが、過去CR-Xロードスターは結構納期がかかり待たされたので、一日でも早く乗りたかったんです。そしたら運の良いことに、来週の生産分を引き当てできるとのこと。もちろん出来上がってから届くまでには多少時間もかかるでしょうから完成、即納車ということにはなりませんが、何ヶ月も待たされることはないとわかりホッとしました。

そして雪のちらつく2011年2月11日に晴れて納車となり、それからこの文章を書いている今現在でちょうど一年が経ちました。別のページで一年乗ってみた感想、それから今後乗り続けている間に起きたこと、思ったこと、感じたことを書き綴っていきたいと思います。