Tom's Toy Boxsince 2008

Tombo Unica

トンボ ユニカ
これも30年近い付き合いです

僕はフォーク世代なので、若かりし頃、ギターの弾き語りの際にはハーモニカフォルダにセットしたブルースハープも使っていました。当時は、価格の手頃さ、音の確かさ、そして手に入れやすいところから、トンボ楽器メジャーボーイマイナーボーイを愛用していました。

そんなある時、中島みゆきの1981年のアルバム「臨月」に収録されている「夜曲」という曲を聴きました。この曲の中でハーモニカが綺麗な音色を奏でているのですが、明らかにブルースハープではカバーしきれない音域を使っていました。複音ハーモニカ(上下2段に穴が開いているやつで、小学校の高学年の頃に使った記憶はあります)かとも思いましたが、実際持っていた複音ハーモニカで試してみたのですが、どうも違うようです。いろいろと調べてみると、どうやらクロマチックハーモニカというのを使っていることがわかりました。俄然興味が湧いてきて、楽器屋さんへすぐに買いに走りました。

あまりよく覚えてはいないのですが、恐らくいろいろなメーカーのいろいろな価格帯のクロマチックハーモニカが置いてあったと思うのですが、その中から紙箱に入ったトンボ楽器の「ユニカ」というモデルを購入しました。きっと高校生が買えたのですから、店に置かれたものの中では一番安かったのだと思います。

トンボ ユニカ
クロマチックハーモニカだけの「ボタン」

クロマチックハーモニカというのはご存じない方のために簡単に説明すると、本体横にボタンがついていて、通常は普通のハーモニカと同じようにドレミファソラシドの並びになっていますが、ボタンを押すと、全ての穴が半音高い音になるハーモニカです。この仕組みにより、全ての音が出せるのです。

さっそく「夜曲」をコピーしてみました・・・・・・、そんなに簡単なものではありませんでした。楽器さえ用意すれば誰でも吹ける訳ないのは他の楽器と同じです。でも基本的に吹く、吸う、口を横に動かす、ただそれだけでとりあえずは演奏できるハーモニカという楽器が好きだった僕にとって宝物になりました。

それから30年近く経った今でも手元にあります。さすがにケースは紙箱なのでぼろぼろですが、ハーモニカ自体は問題なく演奏できます。ただ、ちょっと手入れを怠っていたので、高音域や低音域の鳴りが今ひとつです。まあこれを機に、一度分解掃除をしてみましょうか。

ちなみに「ユニカ」は現在でも販売されているので、入手可能です。当時僕は5,000円で購入しましたが、30年近い時を経て、現在税込みで10,500円です。それでもクロマチックハーモニカの中では安い方です。興味のある方は株式会社トンボ楽器製作所のWebサイトをご覧下さい。No.1244が僕の持っている「ユニカ」です