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カメラとの出会い(その3)

小学校6年から中学時代をポケットフジカと過ごした僕ですが、高校時代はほとんど写真を撮りませんでした。高校時代はどちらかというと映像より音楽にのめり込んだ時期です。高校では吹奏楽をしていましたし、本格的にギターを始めた時期でもあります。写真を撮るより、録音に興味が向いていました。同じ部活の先輩はソニーのメタルデンスケを担いで録りまくっていましたが、そこまでの機種には手が出せなかった僕は、同じソニーのステレオプレスマンTCS-300で、自分たちの演奏を録音していました。このステレオプレスマン、確か初代ウォークマン発売からそう離れていない頃に発売されたもので、ウォークマンほど小さくはありませんでしたが、一応携帯可能で、ステレオマイクも内臓、しかもモノラルながらスピーカー内臓だったため、ヘッドホンがなくても音を聞けるという便利な代物でした。ちょっとカメラの話から脱線しましたね。とにかく、高校時代はあまり写真を撮った記憶がありません。

大学に入ってからも、カメラにはあまり興味を示しませんでした。当時よくつるんでいた友だちの何人かは写真部でしたから、一眼レフで撮影し、現像まで自分たちで行っていましたが、僕は写真部ではありません。そこまでの興味は湧きませんでした。当時は確か親が購入した35ミリフィルムのコンパクトカメラを借りていました。富士フィルム製のコンパクトカメラ。型番など覚えていません。やはり、あまり撮影はしなかったと思います。先の友だちがいつもコンパ等の席で撮影していたので、その写真を分けてもらっていました。せいぜいモーターショーに行って、コンセプトカーやコンパニオンの写真、ツーリングに行った際の写真を撮る位です。やはりカメラにはこだわりなどありませんでした。

しかし、ある時僕が所属していた吹奏楽団の友人から、出身高校の定期演奏会のカメラマンをやってもらえないか、との依頼が写真部の友だちにありました。僕も吹奏楽をしている身ですので演奏会に同行しましたが、その際友だちの一人から「カメラを貸すからお前も撮ってみれば?」と誘われました。フィルムも装填済みでしたので、「それは面白そうだ」と二つ返事でOKしました。初めて手にした一眼レフはずっしりと重かったです。当然ながらMFです。ミノルタがオートフォーカスの「α7000」を発売したのは1985年、その演奏会に行ったのもその頃だったと思います。その頃の大学生の大半はそんなもの購入できるはずもなく、みんなマニュアルフォーカスのカメラを使っていました。過去にマミヤのカメラでピント合わせに挫折した僕が使いこなせるか不安でしたが、友だちの説明でなんとか撮影はできました。その時に味わった、ぼけた風景が次第に鮮明になってゆく感じ、これが僕の心に刻み込まれ、先々カメラにのめり込むことになるのでした。