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海外の交通事情(中国編)

中国と言っても上海だけですけどね。

上海は地下鉄、バス、タクシーとも普通に利用できます。

残念ながらバスはシンガポール同様、どれに乗ればどこへ行けるのかよく分からなかったので未だ利用したことはありませんが、日常市民の足として安い料金(確か一律2元/25円位かな)で乗れます。

地下鉄は路線図さえ手に入れてしまえば切符の買い方も簡単ですし、色分けされた案内板で乗り換えも全く問題ありません。どこにだって行けます。しかもやはり安い。市街地から浦東空港までタクシーだと普通日本円にして2,300円前後だと思いますが、地下鉄なら7〜8元(90円〜100円位?)で移動出来てしまいます。通勤で移動する時も、ホテルからだとタクシーなら25元から30元くらいのところ、地下鉄なら3元で済みます。

切符の購入は液晶パネルにタッチして金額指定で購入するか、行き先を選んで購入するか、どちらでも購入可能なのですが、以外と現地人とおぼしき人が機械の前で立ち往生している姿をよく見ます。また、何台も並んでいる機械のうち、必ず何台かはストップしているし、他の何台かも必ず紙幣取扱中止になっています。なので選択を間違えると購入までに結構待たされてイライラすることになるでしょう。

改札は韓国同様、バーを押して出入りするタイプです。チャージして何度でも使えるプリペイドカードもありますが、普通の切符もプラスチックのカードタイプで、入る時はタッチしますが、出る時は普通の切符は日本のように改札機に入れます。たまに何度入れてもエラーで出てきてしまいます。見ていると、そんな時現地人はバーを乗り越えたりくぐったりして通り抜けてしまいます。それでも捕まっている人を見かけたことはありませんでした。絶対その中にはキセル乗車している奴もいると思うのですが・・・

改札を通る前に、荷物のX線検査があります。小さな手荷物程度ならスルー出来ますが、ビジネスバッグくらいになると、機械を通せと促されます。

ホームは結構きれいです。やはりテレビがある程度の間隔で行くつも備え付けられており、注意事項などが流れていますが、次の列車の到着までの時間もカウントダウン表示されています。意外だったのは、結構正確に列車が到着すること。アジアの列車なんて、いやアジアに限らずどこもそんなに正確に来るとは期待していなかっただけに、かなり見直しました。ホームは、駅によってはシンガポールのようにドアで覆われているところもありますが、古い駅では柵だけのところもあります。

車内も普通にきれいです。出口付近にはテレビが付いていてニュースが流れていますし、電光掲示板で次の停車駅が中国語と英語で表示されます。車内放送も同じく中国語と英語。今どこを走っているかも表示があるのでわかりやすいです。

ただ、日本の電車の感覚からするとかなりマナー違反となりそうな行為が平然と行われています。乗る時も列らしい列はありません。ドアが開いた瞬間に我先にと車内へ入っていきます。降車優先などという意識はかけらもありません。ですから降りる人と乗る人がまるで押しくらまんじゅう状態です。降りる人も降りる人で、特に朝の2号線など東京の地下鉄も真っ青なすし詰め状態なのに、駅に近づくだいぶ前から出口近くへ移動しようと満員の車内を無理に動くので、出口近くに立っているとただでさえぎゅうぎゅう詰めなのに、さらに圧がかかります。それに加え、通路ど真ん中に何本か手すりが生えていて、それがまた邪魔な上に、それに押しつけられると本当に苦しく、身の危険すら感じます。あるときなど20歳くらいの女の子が本当に押しつけられて痛かったのか、泣いていました。そんな満員電車に、仕事の道具なのか、でっかい袋を持ち込んだり、脚立の様なものを持ち込んだり、段ボール箱、スーツケース、とにかく大きな荷物を持ち込む人もいるので、本当に朝の地下鉄には乗りたくありません。

また、普通にものを食べています。屋台で買った肉まんとかそんな感じものもを満員電車の中で食べています。普通に匂います。携帯電話で話すのも普通です。車内ではマナーモードに、とか優先席近くでは電源を切って、なんてことは全くありません。スマホやPSPでゲームもしています。すし詰めの満員電車の中でですよ。まあとにかく日本じゃ信じられない光景です。シンガポールなら罰金ものです。でも上海ではそれが普通なので、別に目くじら立てるつもりは全くありません。「郷に入っては郷に従え」ですから。さすがに喫煙や唾吐きは見かけませんでしたね。

あと、目の見えない人が胡弓のようなものを弾いて、それを付き添いの人が連れ歩きながら物乞いをしたり、地図なのか観光ガイドなのか、そんな感じのものを売り歩く人もいます。これも日本じゃまず考えられません。

一昨年は駅の入り口に若い兵隊さんが立っていましたが、そういえば去年は見かけませんでした。駅の入り口は夕方になるといろいろはものを並べた露店が出来ます。これも日本じゃ見かけませんね。

駅
路線によって駅が地下にあったり高架にあったりします。これは地下駅の入り口。

駅
こちらは地上駅。同じ駅名でも路線が違います。

ホーム
ホームはこんな感じ。銀座線の駅あたりと変わりません。

さて、ちょっとしたところへ行くには便利なのがタクシーです。

昨年7月より初乗り料金が2元値上がりして14元(約180円)に値上がりしましたが、それでも日本に比べれば圧倒的に安いです。流しのタクシーは多少の当たり外れはあれど、きちんと行き先が伝われば、まあ問題なく目的地までたどり着けます。

行き先はよっぽどメジャーなところであれば施設名を伝えれば連れて行ってくれますが、通常は交差する通り名を伝えます。例えばA路、B路という感じです。そうするとまず運転手さんはA路とB路の交差点を目指します。そこまで行ったら後は右とか左とか真っ直ぐとか伝えて、最終的には「ここで」と伝えて降ります。

ただ、結構道を知らないんですよ、上海のタクシードライバーは。それでも知ったふり(かどうかわかりませんが)して走り出します。ある時は出発地から本来行きたいところと真逆のところに30分位かけて連れて行かれてしまいました。僕らもその場所へ行くのは初めてだったので、降りてから目的の建物を探しましたが全く見つからず、近くの屋台のおっちゃんに地図を見せたところ、「あっちだ」みたいに指さされ、そちらにいっても分からず。大学生っぽい男性に声を掛けたところ英語が通じるようなので、英語で聞いてみたらまた違う方向を指して「あっちだ」と。ただちょっと距離があるからタクシーに乗った方がいいと言われ、タクシーを捕まえました。地図をみせたところ、全く違うところに来ていることが分かりました。そこから出発地を通り過ぎ、小一時間かけてやっと本来の目的地にたどり着いた、ということがありました。

タクシーは原則禁煙ですが、帰国の際にホテルから空港まで向かう時は、ちょっと距離があるせいか、運転手さんによっては「タバコ吸ってもいいよ」と言ってくれる人もたまにいます。

全般的に運転は荒く、結構飛ばします。やたらとクラクションも鳴らします。これはタクシーに限ったことではなく、上海を走るクルマ、バイク全般がそういう傾向にあります。運転中も普通に携帯電話で話します。CDの入替もやります。それもケースから取り出して、今まで入っていたCDと入れ替え、ご丁寧にケースにしまいます。運転中にですよ!あと高額な紙幣を出すと嫌がられることもあります。

それでもレシートとお釣りはちゃんと戻してくれるし、スーツケースなどあればトランクへの積み降ろしはやってくれます。ドアは当然自分で開けなければなりませんけどね。自動でドアが開くタクシーなんて日本位なものです。あと、僕らは一人で乗る時でも後部座席に座りますが、現地人は結構一人で乗る時も助手席に乗りますね。

上海のタクシーもあまりエアコンをつけません。この時期雨が降った日など蒸し暑くて最悪です。少々の雨だと窓を完全には閉めないので、雨粒がちょっと当たったりもします。

車種はほとんどがVWタンタナ3000。さすがに初代サンタナのタクシーは見かけなくなりました。たまにヒュンダイタクシーも見かけますがほとんどがVW。あとは万博の時に大量導入されたVWトゥーランの万博タクシーというのも走っていて、これに当たるとラッキーです。ゆったり乗れるし、とにかく車体が新しいので。

助手席前に運転手の登録プレートが取り付けられていますが、運転手レベルが星の数で表示されており、大体星2つの運転手に当たることが多かったです。マックスで星5つらしいですが、4つ星や5つ星の運転手には当たったことがありません。3つ星だと安心して乗れます。逆に星1つだとちょっと心配になります。まあほとんど問題はないですけどね。

僕たちが常宿にしているホテル前で待ち構えているタクシーは要注意です。空港までの客狙いなのですが、何人かがぼったくられたと言っていました。通常より50元から100元も多めにふっかけて来るそうです。なので僕はいつもチェックアウトしてから表の通りまで出て、流しのタクシーを捕まえるようにしています。

そうそう、もう一つ忘れていました。上海が誇るリニアモーターカーです。浦東空港駅と竜陽路駅を結ぶこのリニアモーターカー、超高速運転の商業リニアとしては世界唯一で、この区間約30キロを7分20秒で走るそうです。最高速度は時速430キロ!ただし、最高時速を出している時間は1分もあったかどうか、と言う位一瞬です。まあ距離が距離ですからね。あと、18時以降は最高時速を300キロまでに制限して運行しています。

普通席は片道50元。当日の航空チケット(到着した人は、今乗ってきたチケットでも大丈夫)を提示すると2割引になります。僕が乗った時はいつもがらがらで、同じ車両に数える程しか乗っていません。それもそうですよね。地下鉄なら同じ区間を10回くらい乗れるんですから。車内は日本の新幹線の方がきれいです。すでにちょっとくたびれた感じです。それでも地下鉄は樹脂製のシートなのに比べて、ちゃんと布張りのシートです。

リニアモーターカーは磁力で浮いて走るから滑るようになめらかで振動などないように思っていましたが、意外と普通に振動があります。それでもさすがにリニアモーターカーです。最高速度が出ているときに併走する高速道路を見ると、時速100キロ以上で走っているクルマがどんどの後ろに遠ざかって行きます。やっぱり400キロを超える速度はめちゃくちゃ速いです。ただ、新幹線が脱線する国ですから、一抹の不安はありますけどね。

総じて上海の公共交通機関は安心して利用出来るのではないでしょうか。

リニア
リニアモーターカーが入ってきます。

リニア
デザインは微妙ですね。

チケット
チケットです。割引されています。

最高速度
最高速度が出ました。